あらゆる意味で物が無かった時代のほうが人の心も
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荒んでいなかった気がする。
昨今の何から何まで全部揃っていて利便性だけ追求したような商業施設、それはそれでありかもしれない。
でもね～
なんか我々は目に分かるリアルという概念に囚われ過ぎて自らの心を想像力を曇らせしまっただけなんじゃないかと。
結果、想像力の劣化と(隣人)に対する寛容力が薄れていってる気が日々するんだよね～
昨今の何から何まで全部揃っていて利便性だけ追求したような商業施設、それはそれでありかもしれない。
でもね～
なんか我々は目に分かるリアルという概念に囚われ過ぎて自らの心を想像力を曇らせしまっただけなんじゃないかと。
結果、想像力の劣化と(隣人)に対する寛容力が薄れていってる気が日々するんだよね～
御刀でも茶器でも掛軸でも、本当に価値ある物品は大昔からあるんだよ。 現代はむしろ、工業製品の大量生産のせいで価値のない物ばかりが溢れ返りすぎて
いるせいで、人々の物欲が未洗練なものに成り果ててしまっているのが問題。
人間、物欲を本当になくしてしまうのは極めて困難で、
体力のあるうちに清廉潔白を気取ってミニマリストを決め込んだりしても、
年食って心身ともに衰えれば片付けの能力も下がる上にやたらと寂しがりになって、
やもすればゴミ屋敷を作り上げるようになってしまう。
そうなってしまうのは、未熟な物欲の持ち主だからで、
物欲を完全に捨て去るとまでいかずとも、本当に価値のある宝物を愛でることで
物欲を洗練させることができれば、そこまでもの醜態には至らずに済むもの。
現代はそれすらもが難しくなってしまった、
量ではなく質の面で、物質的に恵まれない時代なんだよ。
とかいう奴らほど、我田引水で世を傾けるほどの蓄財に余念がなく、 晩年には老耄でゴミ屋敷やゴミ部屋を作り果ててしまう人種だったりするんだよねえ。＾＾
「老身に財宝所領もちゆる心なし」
（宮本武蔵「独行道」より）
できるもんなら、やってみな。ちゃんと貯蓄まで最低限に止めてな。
武蔵は自らが筆一つで至宝を生み出せるほどの文化人でもあればこその余裕だったろうがな。
実例をそれなりに多く見て来た上での話だから、 口先だけで抗ったところでそりゃあ無駄だわ。＾＾
特に、モノが溢れ返っている資本主義社会の年寄りには十中八九当てはまる法則。
物の価値がわからない粋がりが、元気なうちにどんなに清廉を決め込んだところで、
老耄が入ってくると漏れなくゴミを買い集め始めるのな。
逆に、身の回りの器物をなんでもそれなりに価値のあるもので固めようと
していた人間のほうが、それだけで満足して、安かろう悪かろうの中国製品を
新たに買い込むような真似もせずにピンピンコロリで逝った姿なども見たもんだよ。
まあ、俺の祖父の話なんだけどな。
宮本武蔵や昔の名僧のように、本当に物欲から解脱して、 身の回りの所有物から貯蓄に至るまで清貧を貫けるのが第一。
そこまでは行かないが、それなりに価値のある物品を愛でることで
物欲を制御し、ゴミを買い集めたがるような衝動を控えるのが第二。
物欲なんてないフリを決め込みながらも、内実、未熟な物欲の塊で、
潜在的にはいつでもニトリ・ダイソー・トップバリュで
身の回りを溢れかえらせたい欲求に駆られているのが第三で、
これは未熟な物欲を開き直ってるのともさして変わらないから、
仮におまえらが俺をそうだと見なすのであっても、その俺と同レベルな人品よ。＾＾
俺の物言いに心象を逆なでされて取り乱している姿を見ても、
第三なのが図星だったのが明らかだし、そうでなくても、
本当に物欲から解脱している人間は、おまえらみたいに、
ただモノを粗末に扱うことを清貧だなどと思い込むような馬鹿な真似はしない。
大宝律令制定のころから、日本人は生産物には何でも記名することで、
モノづくりに責任を担って来たし、そのモノを使う側もなるべく大切にして来た。
たとえ物欲がないのだろうとも、生活のために必要な物品は大切にするものだが、
それすらできないのは達観とかいう以前に、まともな日本人ですらないからなのだろうな。
人間もまた、突き詰めればモノの一種でしかない。 何なら刀剣よりも寿命が短い、タンパク質と水分の塊。
そこが理解できずに、自意識とそれなりの知能を持った
人間という生き物に生まれたがための、自意識過剰の思い上がりを募らせて、
命なき物品を何もかも自分以下の消費物として、粗末に扱っても構わない
ような思いに駆られるのなら、そのような輩自身がモノ以下の人でなしに止まるだけだよ。
刀剣やその他の骨董もまた、ただ物品としての機能的価値が高いのと、
それに加えて歴史的価値が高いのとでは、取引価格で桁一つ以上の格差が生ずる。
人とモノもまたそのようにして、お互いに価値を高め合えるものであるにもかかわらず、
モノに一切価値を見出せないような人間には、人としての価値もまた大してないのである。
M坊が「本当に価値があるもの」と言い張りたがっているのは、おそらく女。 しかし、その女がある種の金融商品との抱き合わせでもなければ、そこまで押し付けて来たものかな？
初めから俺とのかかわりもなかったんじゃないかな？
モノの価値を全否定することで清廉を決め込むような人間は、 まず大前提としてモノの良し悪しを見分けられない、見識眼の未熟さの持ち主である。
そのため、いざ物欲を許容してしまえば、安かろう悪かろうの中国製品でもなんでも
溺愛してしまって、金ｶﾈがあるだけゴミを買い込むような事態に陥ってしまうから、
物欲や物品の価値を何もかも全否定する暴挙に及びたがるのである。
しかし実際問題、人間には生活のために最低限必要な物品というモノがあるし、
安かろう悪かろうよりはそれなりに良いモノを長年大事に使ったほうが、
トータルでは無駄遣いをしない清廉さを保てたことになったりもする。
そのため、本当に物欲から解き放たれた本物の達者は、それなりに価値ある物品の存在
なども認めて、結果的に節約となるようならあえてそれを用いるようなことも兼ねながら、
消費も貯蓄も最低限に控え、世間への迷惑を最小限に止めながら健康長寿を全うする。
物欲から解き放たれたフリをするような未熟者は、これとほぼ真逆の暴挙に
まみれた人生を送るものだから、頭隠して尻隠さずとなるわけである。
「モノに普遍的な価値はない」と断言してたのはおまえらのほうだろうが。>>25 モノの価値がわからない人間の代表的な特徴には、
「モノの良し悪しを利便性の有無でしか見ることができない」というのもある。
貴重すぎて飾っておくのも憚られるような名画には、利用価値はないが存在価値はある。
綺麗に尻がふけて下水にもよく溶ける便所紙には、利用価値はあるが存在価値はない。
そのような存在価値と利用価値の相反性が理解できなくて、
物品を何もかも利用価値だけで捉えるあまり、存在価値の高い宝物を遠ざけてしまう。
それは、本当に物欲から解脱できているから宝物をも好まないのとは、似て非なる姿。
モノの普遍的な価値を否定することで達観できたように思い込んでいるその裏側では、
未熟で程度の低い物欲を滾らせ続けている、宝物好み以上に浅ましくて卑しい人間模様である。
大量生産大量消費の帝国であるアメリカの人間などにも、 「モノなんてのは使って消費するだけのものでしかない」という実用主義者が多いらしい。
それと同じように「メシも食えればそれでいい」となって、
粗末な食い物でもよしとする*が、そのせいで満たされなくて暴飲暴食を繰り返し、 ＊ これがプロテスタントの教義でもある。
ブクブクと200㎏以上に肥え太ってカートなしでは生活できない体になり果てるんだ。
食べ物だって、むしろちゃんと美味であるほうが少量でも満足できるように、
物品もまたそれなりに上質であることで所有欲を満たさせ、浪費を控えさせる効果を持ち得る。
物品の存在価値、宝物的価値の高さというのも、そういう尺度に基づくべきなのであり、
なればこそ必ずしも利用価値の高さなどを要求すべきですらない。
それこそ、人間にとっての最低劣な玩物喪志の呼び水ともなりかねないのだから。
刀も本当は「寝刃を合わせる」といって、目の粗い砥石で刃先を鋸刃化した、 刃紋の美しさもへったくれもないような荒砥ぎの状態で実戦には用いる。
画像のようなツヤツヤに研ぎ上げたものは美術研磨といって、実用研ぎと比べれば
見栄えはいいが切れ味に劣り、実戦にも全く使えないわけではないが甚だ不利となる。
それでも、戦国期に銃砲のために発達した火薬技術が花火に応用されたのと同じように、
平和な時代には刀剣もまた実用品以上に美術品としての用途をより強め、刀そのものの
良さだけでなく、研ぎの良さやその保存性の良さが品評の対象ともなり始めたのだった。
刀をしょっちゅう錆びさせては研ぎに出すような者は不届き者の典型として扱われ、
「寝刃を合わせる」も悪だくみを意味する慣用句として定着するようになった。
実用面だけでなく、愛好面でも文化性が高められていったという点で、
日本刀はやはり別格の存在であり、どちらかを肯定して一方を否定するような一つ覚えを
排することが、中庸にかなった精神性の醸成を促す点もまた、秀逸なところだと言えよう。
実は、俺も子供のころ、ほんの一時だけスーパーカーに憧れてたことがあるんだが、 あまりにもの実用性のなさや、事故一つで大破する儚さですぐに萎えたもんだ。
車に燃費や運搬性のような実用性を要求すれば、自動的に軽やミニバンになる。
そもそも「自動車」という規格自体が、どちらかといえば名画よりも便所紙寄りの、
利用価値を高めることで存在価値を失っていく部類の物品だと知れたわけである。
刀もまた、決して実用性を蔑ろにしていいような器物ではない。
鎌倉期の太刀は馬上からの斬り付けのために、戦国期の片手打は集団での徒士戦のために、
江戸期の新刀は剣術稽古のスキルを応用しやすいように最善の作り込みがなされていて、
その上で、美術研磨を施せば無類の美しさを放つ神々しさをも兼ね備えている。
時勢によっては、武具としての高い実用性を帯びながらも、戦がなくなり、斬首刑すら
ろくに行われなくなるほど平和の確立された時代には、実用品としての価値を失う代わりに、
美術品としての存在価値を高めていく、そのような万能性を帯びているのが日本刀であり、
ただひたすら存在価値ばかりを追い求めている部類の宝物などとは、また意味合いが異なる。
存在価値と利用価値を高い次元で両立させられるのが器物にとっての理想ではあるが、
残念ながら未熟な物欲の持ち主たちからの需要によって、両者が相反するようなモノばかりが好き好まれて、
近代工業もまたその手の物品ばかりを儲け目的で量産し、世界をゴミで溢れ返らせてしまったのである。
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