今日10月18日は、聖ルカ福音書記者の記念日です。
聖書の中にはイエスの行動や言行を書いた物語が四編あり、この物語を福音書と言います。
聖ルカは、この中の『ルカによる福音書』を書いた人です。
またイエス死後、エルサレムにできたユダヤ教の亜流のような修道院(のようなもの)が、
イスラエル以外のローマ帝国各地へ拡散していき、あちらこちらにキリスト教会が出来て
いく様子を描いた『使徒言行録』の作者も聖ルカです。
ルカは異教徒の家庭に生まれましたが、初期のキリスト教に改宗し、使徒パウロの同士に
なりました。パウロという人は最初のころ猛烈にキリスト教徒を迫害する側の人間だった
のですが、その日もあるキリスト教徒を逮捕しようと勇んで出かけたのですが、天からイ
エスの声がかかって目が見えなくなってしまいました。
そしてあるキリスト教徒の家に連れて行かれると、目から鱗のようなものが落ち、目が再び
見えるようになったのです。それからパウロはキリスト教に改宗しました。
『目から鱗が落ちる』ということわざは、これが語源です。皆さんも知らず知らずのうちに
色々なキリスト教の言葉を使っているんですよ。
ルカは医者だったそうですが、パウロの手紙に同士として名前が見えます(テモテへの手紙
など)。ルカはパウロ死後に福音書や使徒言行録を書きました。ルカはパウロの同士ですか
ら、使徒言行録も後半はパウロの活躍が本筋になっています。
ルカによる使徒言行録や福音書が聖書に本採用になった時点で、パウロの思想がキリスト教の
思想の本流になったと言っても良いでしょう。パウロの手紙を見ると、論敵は当時かなりたく
さん、いたようです。しかし彼らは異端として退けられ、彼らの文書類は、後世に残らないよ
う注意深く廃却されました。
しかし20世紀になってエジプト等の廃墟から多くのパピルスが見つかり、二千年近く前に異端
として退けられた文書(トマスによる福音書など)が見つかって話題になりました。
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