士農工商


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132 2010/06/20(日) 20:16:04 ID:kpPcT98Dcs
「史記」で張良の事跡を扱った留候世家において、劉邦こと沛公と共に嶢関の秦軍を攻略する際、張良は
「あそこの将軍は屠殺業者の倅だと聞いています。商売人などというものは、利益でどうにでも動かせるものですから、
厚遇をほのめかした投降を将軍にだけこっそり聞き入らせればよいでしょう」と沛公に助言した上で、
実際にそうしたら秦の将軍が色めき立ったことを確認した上で、「むしろ将軍を油断させたままに
攻撃をしけかればいいのです」とまた助言して、沛公に当地の秦軍すべてを殲滅させる功績をあげている。

張良は、屠畜業者出身の秦の将軍を「賈豎(こじゅ. 浅はかな商売人)」の典型例として扱っている。
金儲けのためには動物殺しすら厭わないその姿が、商売人の卑しさの象徴として適例扱いしている。

中国は、屠殺業以前に商業全体を卑賤視する権力道徳主義社会であり、別に屠殺だけが突出して差別を受けていたわけではない。
しかし、「史記」が日本に輸入されるなどに及んで、屠殺を商業の中でも特定して卑しんでいる張良の言が針小棒大に取りざた
された挙句、日本で部落差別になった可能性もあるし、事実、屠畜業が商売の浅ましさの極みの一つであるからというのもある。

中国には部落差別などというものはないが、四民制に基づく商業全体への差別はあり、その商売劣後の慣習が
「史記」などと共に日本に輸入された結果、特に屠殺業を営む部落への差別として発展していった可能性はある。
日本では部落に対する並みであった差別が、中国においては全ての商業に対して徹底されていた。屠殺業だけが特定して
差別されていたわけではないことは、後漢末期に屠殺業を営んでいた何進が、妹が天子に寵愛された関係で将軍に
取り立てられたことからもわかる(ただし当人も不遇の最期を遂げている。商売人が差別されていることに変わりはない)

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