人間という生き物は醜い(特に外見) 東洋的審美眼の真骨頂


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001 2019/05/20(月) 10:37:28 ID:jdOeueAT3E
近ごろ、各地の博物館や刀剣店などを巡って各種の名刀を目にしてるんだが、
人の命を奪う道具である刀がかくも美しいのはなぜかという疑問を
考え抜くに至って勘付いたのが、「人間が醜い生き物だから」ということだ。

心ではない。心は美しい場合も醜い場合もあるが、外見のほうは一貫して醜い。

一般に、美男とか美女とか言われてる人間がいるのは、ただ単に性的魅力が強いから
なだけであって、普遍的な審美眼に基づくならそれらも単なる薄毛のサルに過ぎない。

にもかかわらず、性的魅力と普遍的な美しさを倒錯して心焦がした時に初めて、
人は心までもが醜くなる。愛欲を持つこと自体は人の常だが、それが
審美眼を損ねるような事態にまで陥ることこそが致命的に問題となるのであり、
それこそを防ぎ止めるために昔の日本人も刀という、人の命を断ち切る道具の
美術工芸的な洗練に執拗に取り組んでいたのではないかと思われるのである。

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349 2019/10/09(水) 11:48:31 ID:gryjvGdGQw
今月号の月間武道掲載。第23代警視総監でもあり、
近代剣道(今の警察剣道に相当)の実質的な創始者である西久保弘道。

この、戦前の人間とは思えないほどでっぷりとした胴回りと、
それに相反するかのような、子供のような細さの前腕。
相撲並みに力当たりばかりに拘泥して、手先の技巧は
まったく疎かにしていたことが見るに明らかな体つき。

実際、こいつは学校剣道の導入者である永井道明(剣道家ではない)とも並んで、
剣の稽古から技術的な要素を確信犯的に排除しながら剣道を広めた張本人である。

剣道といえば体育会系、スポーツ系で、手先の器用さなんか無関係という
風潮を作り出したのもこいつが最初。脳筋で融通の利かない警察官の走り。

剣ってのは、本来はそういうもんではない。全身も使うが手先も使う。
手先の器用さも楽器演奏並みに必要だったから、佐幕派の中上級の
武士の末裔の中にも、音楽家をやっているような人間が数多くいる。

こいつは、佐賀鍋島藩士の末裔だという。
「武士道とは死ぬことと見つけたり」で有名な葉隠も佐賀藩士の著。
薩長と比べれば、政官財に幅を利かせた度合いも低くてさほど
問題視されることがない「薩長土肥」の肥前こと佐賀もまた、
世間知らずで不器用な田舎侍の吹き溜まりだったというわけ。

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350 2019/10/09(水) 12:03:21 ID:gryjvGdGQw
上の近代剣道創始者のおっさんを見ても、
今でも剣道が必修科目な日本の警察官の容貌や振る舞いを見ても、
ちっとも「美しい」ようには思われない。

いくら日本刀が美しいものであっても、
それを扱うための稽古を積んでいるはずの者が美しくないのでは、
少なくとも「剣心一体」の境地ではないことが明らか。

実際、近代剣道ってのは真剣の扱いから遠くかけ離れたものでしかない。
あえて真剣の扱いのための技巧をかなぐり捨てた、竹刀のあてっこ、
だからこそ剣道家も美しくないのだから、それを見て剣心一体の心がけが
人の美しさを育むことなどないなどと思うのは、勘違いもいいとこ。

真剣こそを正しく扱い、真剣と我が身の一体化を図ることで、
我が身の振る舞いもまた美しくなる。もはやあり得ないこととすら
思い込まれているきらいがあるから、真剣も遠ざけられて時価が暴落している。
何もかもが勘違いに囚われている悪循環こそが、現代人の呪縛であるといえる。

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351 2019/10/09(水) 19:45:39 ID:gryjvGdGQw
月間秘伝の質問コーナーで、剣術家の黒田鉄山氏が「道」について聞かれたとき、
「道というものはあまりにも深遠で、とてもそれ自体を頭で理解したり教えたり
できるものではありませんので、我々は差し当たって出来ることとしての
技術の研鑽に取り組んで行くのみです」ということを言っていた。

だから「剣道」ではなく「剣術」であることにもこだわっているが、
こちらのほうがよっぽど「道」への姿勢も真摯であると言えまいか?

それとも、でっぷりと太った体による力任せな打ち込みと奇声で
圧し勝てば勝ち、圧し負ければ負けみたいなほうが剣の道だというのか?

剣の道は、断じて相撲道ではない。
むしろ「技即道」の極致ともいえる技術研鑽の道でこそある。
何しろ日本刀という工芸品自体が、超絶技巧の精髄でもあるのだから。

技術研鑽の結果、刀を持たせたら最強となり、
その剣技もまた見るに美しいというあり方こそ、真の剣の道であろう。
でなければ、本物の武士たちの末裔の多くが、今の剣道なぞよりは
芸術への道のほうを好んで選んでいる理由も立つはずがなく。

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352 2019/10/11(金) 22:38:39 ID:s8kbzuE8jU
それより台風が来る。
傘地蔵は東京に住んでるの?

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353 2019/10/16(水) 19:06:52 ID:Oqh.n8HxLM
住んでねえよ。近ごろ用事(×仕事)でよく行ってたが。

台風19号でも都心部はろくな被害がなかったし、
未だに神君家康公の霊威に守られているんだな、と。
(現実的に言えば、徳川時代の治水の成果だが)

今ろくな奴らが住んでない率が高いのも認知しているが、
いい人間もいるし、蔵刀の多さなど、武家社会だった名残りの魅力も未だ色濃い。

下手な移住の仕方をしてもろくな目に合わないのが分かってるから、
そうそうには考えないが、いつかは大きな爪痕を残してやりたいもんだ。

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354 2019/10/16(水) 22:29:43 ID:.gLasEDq5E
>>353
仕事? 無職ニートなのに?

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355 2019/10/16(水) 22:57:43 ID:SXmVPafKSc
いつかは大きな爪痕を残してやりたいもんだ。
カッケーw

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356 2019/10/20(日) 15:04:39 ID:oHvtY1pzm2
ヤフオク含めたネット上での刀剣検索も、だいぶ飽きてきた。
刀剣熱自体は全く冷めてないんだが、目が肥え過ぎて、
ほとんどろくな刀が出回ってないのが段々わかってきたから。

特に、「沸出来」の名刀の掘り出し物なんてのは本当にない。
正宗を最高峰とする、刃紋の粒子が荒くて粒になって見える出来の刀。
これは格段に高温の焼き入れと急冷で作られるものなので、刃鉄もひときわ硬度が高くて
実用面でも機能性が高いんだが、そのぶん作るのが難しく、鍛え傷などができやすい。
(正宗の真作にすら、許容できる程度の鍛え傷が見られるものがある)

あまりにも作刀が難しいため、正宗が創始者である相州伝の刀工流派も早くに衰滅した一方、
刃紋が荒沸化しない「匂出来」の範囲での刃紋の美しさを追求していた備前伝は隆盛した。
天正18年の大洪水で備前伝の流派が壊滅して後も、同類の匂出来の名刀の再現を試みる
刀工は無数に上った一方、沸出来の名刀の再現はあまりにも難しいために憚られ、
そんな中でも再現に成功した井上真改や源清麿らが稀代の名工として持て囃されもした。
(画像は真作の虎徹の刃紋で、贋物にはまずこのような荒沸は見られない)

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357 2019/10/20(日) 15:12:18 ID:oHvtY1pzm2
沸出来ならただ鍛え傷がないだけでもめっけもんだが、安価ではまずない。
匂出来は比較的安価でも無傷なものがあるが、それだけでは大した価値があるとも言えない。
だから傷のない沸出来か、際だって出来のいい匂出来の刀こそを探してみれば、
これは本当にあるべき所にしかなくて、安く掘り出せるなんてことは皆無と見ていい。

あまりよく分かってなかった頃には、ネット上に膨大な数の「本物」の日本刀が
紹介されて売りに出されてるのにビックリして、宝の山にも思えたものだが、
本当に出来のいい「本物中の本物」となると、やっぱりごく一部に限られる。

ただ、その「本物中の本物」だけでも、総数なら一万本ぐらいはあるだろう。
その上で、一応実用できる程度の「本物」の日本刀が百万本以上現存している。
ただ本物を手に入れるのなら簡単だし、本物中の本物を手に入れるのも難しいが不可能ではない。
まるでとっくの昔に消失してしまったオーパーツのように扱うのは誤解もいいとこ。

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358 2019/10/20(日) 19:39:33 ID:oHvtY1pzm2
たとえば、沸出来の刀と匂出来の刀で鍔迫り合いをすれば、
沸出来のほうが刃鉄が硬いから、匂出来に競り勝って切り折る可能性が高い。
(匂出来が主流の備前刀は実際、太刀や片手打ちの刀が主で、
 鍔迫り合いをあまり想定していないものが多い)

ただ、匂出来の刀は刃鉄が比較的やわい代わりに刀身が柔軟な上、
緻密な打ち鍛えで折重ねをよく詰ませることが可能なため、靭性がより高い。
国宝の大般若長光も、震災で折れ曲がった所を慎重に修復すれば元通りに戻ったというし、
そういう上出来な匂出来の刀で、沸出来の刀の鎬や棟などに強く切りつければ、
むしろ匂出来のほうが沸出来を叩き斬れる可能性が高い。(逆だと曲がっても折れない)

ただ、「折れず曲がらずよく斬れる」という性能を最上級に達成する可能性があるのは、
沸出来でなおかつ地鉄や芯鉄が匂出来並みに高い靭性を獲得している刀であり、
正宗や虎徹はこの条件を満たしているとされるため、新古の日本刀の最高峰ともされている。

匂出来で美しい波紋の備前刀なども魅力的ではあるが、実用性を見れば多少は譲る。
最高級の備前刀は正宗以前のものばかりだから、古さ故の骨董的価値は高いが、
実戦を想定するのであればやはり、沸出来の名刀のほうにより憧れるものである。

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359 2019/10/20(日) 20:07:37 ID:oHvtY1pzm2
沸出来の孫六兼元、匂出来の寿命、同じく匂出来の新々刀備前長船の断面図。
黄色い所が刃鉄、赤い所が地鉄、白い所が芯鉄で、硬さは刃>地>芯。

孫六兼元が配合からも体配からもいかにも物切れしそうではあるが、折れやすそうでもある。
新々刀長船はそれよりも折損には強そうだが、ハマグリ刃の強さのせいで切れにくそうである。

寿命が最も折れにくそうな上に、体配上から切れ味もまあまあ良さそうである。
これが>>265みたいな耐久試験で合格度が高かった角で、慶喜公が寿命を愛用した根拠でもあろう。

ただし、これだけうっすらと地鉄で芯鉄を覆ったのでは沸が出せない上に、
匂出来の刃紋もまたあまり工夫ができなくて、美麗なものにはならない。
実際、寿命の美術刀剣としての評価は低く、比較的安価に取引されているのもこのためである。

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360 2019/10/20(日) 20:25:13 ID:oHvtY1pzm2
おそらく、「折れにくさ」という点だけを見れば、正宗や虎徹よりも寿命のほうが上だろう。

「長い寿命」を縮めないために、意地でも折れることだけはないように作っていたのだろうが、
そのせいで沸出来にならず切れ味が劣る上、匂出来としても刃紋の美しさに欠けてしまう。

長生きし過ぎてもヨボヨボになって見た目の美しさに欠ける、人の人生のよう。
刀の折れにくさばかりにこだわるのも、長生きばかりにこだわるようなもので、
あまり美しさを蔑ろにし過ぎるのも考えものである。

明治以降は、長生きぐらいしか楽しみがなかった慶喜公を批判できるわけもないが。

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361 2019/10/30(水) 00:07:35 ID:6PiZt11OxI
就職したのか。そりゃめでたい^_^

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362 2019/12/15(日) 05:22:52 ID:qrWxANzMB2
変質者のクソ長い屁理屈の何が思想やら宗教だよ

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363 2022/06/06(月) 12:05:38 ID:DHAOm1fN8s
ここも投げ出していたのかカス

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