本当は、直刃(刃紋がまっすぐ)の刀の美しさも例示したいんだが、
直刃の美しさを画像で示すのはほぼ不可能に等しいので、
已む無く乱れ刃や彫刻の美しさの例示を優先している。
俺もまだまだ勉強中だが、最上級に良い刀と悪い刀の見分けぐらいはだいぶ付いて来た。
良い刀は刃金と地金の焼き分けが上手くて、刃金は白く地金は青黒い。
悪い刀は全体的に白く、焼き入れすぎのせいで実戦では折れかねない。
つまり良い刀は実際に丈夫である一方、悪い刀は弱い。
焼き入れがうまくて地金と刃金のメリハリが立っているから、刃紋の美しさも映える。
美しい刀はそれ即ち強い刀であり、あらゆる美しさの中でも機能美の極致にあるといえる。
東洋的美意識は機能美とこそ不可分なものであり、一般人には落書きかゴミにしか
見えないような現代アートに大金をつぎ込む西洋的美意識などとは根本的に相反している。
刀もいいいものは数百万円〜数千万円、
中には億を超えるものもあるが(画像の山鳥毛一文字など)、
原価だけでも数十万円はかかっているし、それを名刀に仕上げる工匠の手間賃を考えれば
決してふっかけているなどということはない。浮き足立たないまともな経済感覚を育んで、
金満への無闇な幻想を抱かないことにも、刀の勉強は一役買うことができる。
返信する