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鎌倉幕府初代征夷大将軍の源頼朝や、源義経の父親である源義朝は、
保元の乱で上皇方について敗軍の将となった実父の源為義を、自らの手で殺している。
勅命に即してとはいえ、実の父親を斬首に処した者の息子こそは、史上初の幕府の棟梁ともなっている。
ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」などでは、架空の父殺しがやたらとショッキングに
書き立てられていて、犯人として逮捕されたドミトリー・カラマーゾフが「精神の姦通者(サイコパス)」
とも診断されているが、父殺しぐらいは日本史の史実の中枢にも存在していて、親殺しの非業に晒された
実父の苦悩を晴らすためにこそ、源義朝の息子たちも平氏の追討に尽力し、三男の源頼朝が、自らも
弟殺しなどの非業を引っかぶる形で幕府を開いてもいる。近代ロシアの、癲癇持ちの文学者が空想上で
拵えた父殺しなどよりも、昔の日本史上の、父殺しや弟殺しにまつわる史実のほうが遥かにドラマティックで、
しかも本当に父殺しのサイコパスをも乗り越えられていて、遥かに健全で、学ばされるものもずっと多い。
ドストエフスキー文学あたりが正統とされている洋学なんかよりも、日本史の史実のほうが
遥かにいい教訓になる。健全でためになり、多くのことが学べる上に非常に面白い日本の史実と、
不健全でためにならず、大して学ぶこともない上につまらない洋学と、どちらのほうを大切にすべきか。
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