「佛子、菩薩摩訶薩、見有獄囚、五處被縛、受諸苦毒、防衞驅逼、將之死地、欲斷其命、捨閻浮提、一切樂具、
親戚朋友、悉將永訣、置高碪上、以刀屠割、或用木槍、豎貫其體、衣纒油沃以火焚燒、如是等苦、種種逼迫、菩薩見已、
自捨其身、而代受之、如阿逸多菩薩、殊勝行王菩薩、及餘無量、諸大菩薩、爲衆生故、自捨身命、受諸苦毒、菩薩爾時、
語主者言、我願捨身、以代彼命、如此等苦、可以與我、如治彼人、隨意皆作、設過彼苦、阿僧祇倍、我亦當受、令其解脱、
我若見彼、將被殺害、不捨身命、救贖其苦、則不名爲住菩薩心、何以故、我爲救護一切衆生、發一切智菩提心故」
「仏子よ、菩薩はもしも獄中に囚われて、四肢五体を縛られて責め苦を受ける者を見、兵衛の者たちも今まさにその者を
刑場に行かしめてその命を絶とうとしているのを見たならば、閻浮提に所有する一切の楽具すらをも捨て去って、
親戚や朋友たちとも永遠の別れを果たした後、自らこそは刑場の高台に上って刀によって割り屠られ、木槍によって
自らの身体を立てに貫かれ、衣服に油を注がれて火を点けられ、灼熱の炎によって焼かれようとする。このような苦しみは
少しも癒えることなく、どこまでも逼迫していくものだが、菩薩は他の無数の菩薩もまたそうするようにして、罪人に対する
処罰を代わりに受けて、自らの身命を捨て去ることにより、衆生の苦毒を代わりに受ける行を為す。その時、菩薩はこのように言う。
『願わくは私こそが、わが身を捨てて彼(死刑囚)の命に代えてみせましょう。彼が受ける諸々の苦しみは全て私に与えて
いただければよろしい。政治にまつわる問題もまた、全てそれに従って頂ければよろしく、それにより例え私が彼の阿僧祇倍の
苦しみを受けることになろうとも、それをも解脱のすべに変えてみせもする。もし私が、彼がまさに殺害されんとするのを見て、
我が身命を捨ててその苦しみを救い贖うことができなかったならば、私は菩薩としての称号を剥奪されても構いはしない』
なぜそうしようと思うのか。『私は一切の衆生を救済し、守護するためにこそ、一切智の菩提心をも発したのだから』」
(「華厳経」八十巻本・十回向品第二十五の四より)
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