日蓮は仏教と言えるのだろうか？ 日蓮の疑問

>>37
仏教に天地創造の神話はありません。もちろん後の世代で、須弥山世界とか、三千大千世界といった表現はあります。これは仏教の世界観、宇宙観を表現したものですが、釈尊にとって天地創造は絶対的な存在が作った物ではないのです。

そこにあるものこそ「縁起」の世界です。「縁起」を展開すると、「空」と「無自性」になります。「空」とは、この世の存在で絶対的なものは存在しない、すべて変化し移り変わって行くものと考えます。「無自性」は、この世に存在するものすべてのものは、お互いに関係し合って存在しており、唯一そのものだけで存在しているものなどない、ということ。つまり天地創造の絶対的な神という概念は、もともとないのです。

これが仏教の根底にながれるものです。ここから外れて仏教は語れないのです。ですからキリスト教などでは、すべて神が中心となります。そして唯一絶対神となります。なので他の神の存在は否定されるのです。なぜなら唯一絶対の存在だから。もちろん他の教えは信じることはできません。
仏教は関係性を説くので、どこが中心化と言うと、遍在です。つまりすべてそれぞれが中心となります。このことは、「世界に一つだけの花」のテーマになった経典にもあります。なので、仏教が科学的で合理的と言われる由縁です。２５００年前の教えですけどね、その教えにまだ現代科学と脳科学が、追いついていないのです。

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