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次の日、イエスはオリーブ山から、朝早くエルサレムの神殿に入りました。
オリーブ山(オリーブ畑)という地は、新約聖書に度々、出てくる地名な
のですが、これはエルサレム城外(この聖都は城壁に囲まれているのです)
ですが市街から極めて近く、安息日でも歩くことが許される程の距離にあ
るのです(使徒言行録1-12)。安息日は仕事をしてはいけないばかりか、
歩く歩数まで制限されているんですね。この立法を破ると石打の死刑にな
るんですよ。安息日については
>>138にちょっと書きました。
神殿にやってくると大勢の人々が集って来たので、イエスは座って彼らに教えていました。すると、律
法学者やファリサイ派の人たちが、姦淫をしている時につかまえられた女をひっぱって来て、民衆の中
に立たせてイエスに言ったのです(ヨハネ福音書8-1)。
『先生、この女は姦淫の場でつかまえられました。モーゼは律法の中で、こういう女は石で打ち殺せと
命じられていますが、あなたはどう思いますか』。
彼らがそう言ったのは、イエスを試して、訴える口実を得るためでした。昨日はイエスにうまく逃げら
れたからです。しかし、イエスは身をかがめて、指で地面に何か書いていました。 彼らが問い続けるの
で、イエスは身を起こして彼らに言いました。
『あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい』。
そしてまた身をかがめて、地面に物を書き続けられました。これを聞くと、彼らは年寄りから始めて、ひ
とりひとりとその場から出て行き、ついにイエスだけになり、女はだけが残されました。そこでイエスは
身を起こして女に言いました。
『女よ、みんなはどこに行ったか。あなたを罰する者は無かったのか』。
女は言いました。『主よ、誰もいません』。
イエスは言いました。『私もあなたを罪としない。お帰りなさい』。
こうしてまたも、ファリサイ派の人々はイエスを逮捕できなかったのです。
イエスはこの祭りの後、直ちにガリラヤに戻ったでしょう。彼の『受けねばならない洗礼』の時はま
だ来ていないので、逮捕されるわけにはいかないのです。
『罪無き者、まず石を投げよ』という有名な話です。
(つづく)
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