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そしてその後、イエスを快く思わない従兄弟たちを避け、イエスは母マリアを
連れてカファルナウムという村に行きました。彼の伝道はこの村から始まりま
す。『時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい』。
彼も洗礼者ヨハネに習い、信仰厚い人に洗礼を授けます。しかしヨハネのような
罰する神、怒れる神を彼は語りません。ヨハネの説教は『まむしの子よ』で始ま
りましたが、イエスは違います。
『疲れた者、重荷を負う者は、だれでも私のところに来なさい…。
休ませてあげよう…。あなたを』。
『私は柔和で謙遜な者だから、私と共に荷を負い、私に学びなさい…。
私の荷は負いやすく軽いのです』。
そう言われた人々は、平和な顔で帰って行ったでしょう。また弟子入りを志願する者もいたでしょう。
こうしてガリラヤの村々を伝道して回ると、イエスの名声はいやが上にも高まりました。人々はイエス
のお姿を見ようと、聖書の言葉を借りれば『大勢の人が集まったので、戸口の辺りまですきまもないほ
どになった』のです。
イエスが伝道を開始してどのくらいの月日がたったことか。
もうこの頃はイエスは有名人です。彼をエリア=ローマ植民地からの解放者と見る者もいれば、逮捕
された洗礼者ヨハネの後継者と考える者もいます。ローマの傀儡であるファリサイ派やサドカイ派は
スパイを放っていますし、律法学者がイエスの失言を見つけて食い下がろうと狙い始めています。
(つづく)
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